1979年秋田県男鹿市に産まれました。

大学入学と共に上京。

色々考えるところがあって、

このまま敷かれたレールに乗っていたら本当の私らしい生き方ができない。

一から自分で積み上げたい。

そう思って、両親の猛反対を押し切って大学を3年で中退しました。


その頃ちょうど、私を修業させてくれる事になる『ぴすとーれ』のパンを食べて、

なんて優しい味なんだ!と、驚き泣きながらほおばっていました。

自信はおろかパン職人がどんなものか全く解らなかったけれど、

以前から何でも作る事が好きだった事もあって、『ぴすとーれ』の門をくぐる事となりました。

みんながおいしいと思ってくれなくてもいい、

誰かの心をすくい上げるパンが焼けるようになりたいと、

それからは、無我夢中で走り続けて、

いっぱい泣いて笑って怒って、沢山の人たちに支えてもらいながら今に至ります。

 

いつも愚痴聞き役、見守ってくれている両親、

私にパンを焼く楽しさを教え、焼かせてくれた『ぴすとーれ』のオーナー山下さん、

それを一番近くで見守りわがままに付き合ってくれている夫、

心の支えになってくれている友達、

そして、私のパンを食べてくれる皆さんに感謝です。

 

 

 

 



2007年7月から、半世紀前に建てられた古民家で生活を始めました。

お家をリフォームしながら、土と戯れ、

ハーブや野菜を育て、パンにも生かしていこうと思っています。

 

独立して、 一人でパンを焼くようになってから、

初めての事だらけ!いろんな事がありました。

嬉しい事、楽しい事、それだけではなくて、

辛い事もやっぱりあって、パンを焼き続けていいのか悩んだりもしました。

でも、そんな時いつも誰かのおいしいと言う言葉だったり、

パンが元気にふくらんでくれて、酵母も生きていて、

窯に火がともり、今日の一日を知らせてくれる。

誰かにポトリと滴を落とせたらと思っていてのに、

自分がポトリ、ポトリと元気をもらっている毎日でした。

そんな優しいみんなからのポトリのおかげで

POTORI BAKERY のパンはもっともっとおいしくなります。

みんなのポトリでPOTORI BAKERY はもっと楽しくて笑顔いっぱい♪

遊び心たっぷりに羽ばたきます。

 

札幌の古民家で産まれた子どもは3歳になりました。

子どもが産まれた当初は、

職人の手だった私の手が、お母さんの手になっていくのが嬉しくもあり、

またちゃんとパンが焼けるのか不安でもあり、手をそっと眺めていました。

私にパンを教えてくれた師匠の手はパンみたいだったし、

足の裏にバネが付いているような働き者の私の両親の手は、

これまた見事なごろりとした、なのに器用な働き者の手なのです。


そんなお母さんな日々の中でも色々なものが見えてきて、

子供のもっと「おいしい」の声を、「パンちょうだい!」のもっともっと元気な声を聞きたくて

試行錯誤して『こむぎちゃん』(新しい小麦の酵母)を育てました。

そして、今まで焼いた事のなかったパンやおやつも焼くようになりました。


2011年冬、もっとのんびり、丁寧に暮らそうと、

田舎におうち兼パン屋を建てて、引っ越してきました。

夏からお店も始めます。

想い描いていた以上のおうちを設計してくれ、

レンガを積んだり漆喰を塗ったりお店作りも手伝ってくれた、

トロッコの阿部さん千絵さんほんとうにありがとう。

          ・・・・・・・・・・・・ トロッコ一級建築士事務所


 
白樺林の奥に黒い板張りのお家。

パンも広すぎる庭?畑?も木立ちも家族も

お日様にあいさつして起きて、自然の気配に囲まれて、

夜になれば淡くひかる窓明かりの下で

こっそりパンを焼いて、

静かに日々を紡いでいけたらと思っています。